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肥満を制御する酵素を発見

2019-02-14

本学 薬学科の有竹 浩介 教授 (薬品作用学分野)、大阪薬科大学薬学部の藤森 功 教授、前原 都有子 助教、東京大学大学院農学生命科学研究科の永田 奈々恵 特任研究員、東京大学医学部附属病院眼科の裏出 良博 特任研究員らの研究グループは、生理活性脂肪酸の1つ、プロスタグランジンD2(PGD2)を生合成するL型酵素(L-PGDS)の遺伝子発現が肥満マウスの脂肪組織において上昇することを発見しました。


そこで、肥満制御におけるL-PGDSとPGD2のはたらきを調べるために、脂肪細胞で特異的にL-PGDSを作ることができないようにしたマウスを作製して解析しました。
正常なマウスと脂肪細胞でL-PGDSを作ることができないマウスに11週間、普通食あるいは高脂肪食を与えたところ、普通食では両者に肥満の程度や脂肪細胞の大きさに差は現れないものの、高脂肪食を与えたときには、脂肪細胞でL-PGDSを作ることができないマウスでは、正常なマウスと比べて体重増加が20%以上抑制され、内臓脂肪や皮下脂肪量も減少することを発見しました。
また、脂肪細胞の分化の程度を知るさまざまなマーカー遺伝子や脂肪酸の生合成に関わる多くの遺伝子の発現は、脂肪細胞でL-PGDSを作ることができないマウスで、いずれも低下していました。
血液中のコレステロール、脂質、グルコースの値は、正常マウスと比べて、脂肪細胞でL-PGDSを作ることができないマウスでは低下しており、これらメタボリックシンドロームで異常となる血液中の値も改善されていることが分かりました。また、2型糖尿病の指標となるインスリン感受性も改善されていることが分かりました。
L-PGDSのはたらきを抑える薬剤は、肥満の新しい予防法や治療法の開発につながることが期待されます。


本研究成果は、2019年2月13日に英国科学誌『Scientific Reports』(サイエンティフィックリポーツ)に掲載されました。


詳細は下記をご覧ください。
東京大学、大阪薬科大学、第一薬科大学によるプレスリリース (PDF)