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第46回日本薬学会九州山口支部コロキウム 開催報告

2025年10月18日(土)、本学薬学部を会場として「第46回日本薬学会九州山口支部コロキウム」が開催されました。

本コロキウムは第一薬科大学薬学部が事務局・世話人(久保山友晴、森永紀) を務め、漢方薬とAIをテーマにした実習と講演会が行われました。

コロキウムの冒頭では、新棟4F製剤実習室にて「長生きの秘密! 徳川家康が愛した漢方薬を作ってみよう!」と題した漢方実習が本学の久保山教授指導のもと行われました。

徳川家康が愛飲していたとされる長寿のための漢方薬「無比山薬円(むひさんやくえん)」を、当時の製法にならって再現し、参加者は生薬を薬研で粉末化し、熱したハチミツと混ぜて丸薬を作る過程を体験。歴史と科学の両面から漢方薬の魅力を学ぶ貴重な機会となりました。

その後、講義室およびZoom配信のハイブリッド形式で講演会が開催されました。講演会では、3名の先生方により、漢方薬の原料確保から臨床応用、創薬に至るまで、幅広い分野におけるAIの活用について最新の研究成果が紹介されました。

【講演概要】

  1. 漢方薬のもとはどこにある?:AIが描く薬用植物の分布予測(九州医療科学大学・渥美 聡孝先生): 希少な薬用植物である「防已(ぼうい)」を例に、最新のAIと地理情報を用いて「薬草の地図」を描き、資源の持続的利用を目指す研究が紹介されました。
  2. AIがひもとく漢方の知恵:非専門家でも活用できる未来へ(慶應義塾大学・吉野 鉄大先生): 漢方専門医の「証(しょう)」の診断プロセスをAIに学習させ、非専門家でも漢方薬の処方選択を支援する研究の最前線が解説されました。AIが医療従事者の強力なパートナーとなり、統合医療の可能性を広げることが示唆されました。
  3. 生命情報と化学情報を活用したAI創薬(名古屋大学・山西 芳裕先生): ゲノム、プロテオームなどの生命情報と、化合物に関する化学情報をAIで融合解析し、治療標的探索や医薬品分子設計、漢方薬への応用など、創薬の様々な課題解決に挑む研究が紹介されました。

漢方実習には20名以上、講演会には80名以上の方が参加され、大変盛況となりました。ご参加いただいたみなさま並びに、遠方よりご来学、ご講演いただきました先生方、誠にありがとうございました。