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偽アルドステロン症の原因物質を発見 〜副作用発症の予防、早期発見に有用〜

本学 漢方薬学科の森永 紀 准教授(和漢薬物学分野)、名古屋市立大学大学院薬学研究科の牧野 利明 教授、石内 勘一郎 講師、千葉大学医学部附属病院和漢診療科の並木 隆雄 臨床教授、亀田総合病院東洋医学診療科の南澤 潔 部長らの研究グループは、漢方薬を使用したときに高い頻度で発症する副作用の偽アルドステロン症が、漢方エキス製剤の約7割に配合される生薬カンゾウの主要成分グリチルリチン酸の代謝産物18β-グリチルレチニル-3-O-硫酸により引き起こされる可能性が高いことを発見しました。 この副作用を生じるかどうかについては、非常に大きな個人差があり、いつ副作用を生じるのか予測が困難でした。研究グループは、偽アルドステロン症を発症した患者の血液から、18β-グリチルレチニル-3-O-硫酸を高い濃度で検出し、この化合物が腎尿細管細胞に発現しているコルチゾール解毒酵素を阻害した結果、低カリウム血症、浮腫などの副作用が発症することを突き止めました。 今回発見された代謝産物をバイオマーカーとして、偽アルドステロン症の発症しやすさをあらかじめ予測できれば、重篤な副作用に至るのを未然に防ぐことが可能になります。 森永 准教授は、この代謝産物を特異的に検出できるモノクローナル抗体を作製し、血液や尿中の18β-グリチルレチニル-3-O-硫酸を簡単に測定できる検査方法も開発しました。 本研究成果は、2019年2月7日に英国科学誌『Scientific Reports』(サイエンティフィックリポーツ)に掲載されました。 詳細は下記をご覧ください。 名古屋市立大学、第一薬科大学、千葉大学、亀田総合病院によるプレスリリース   "